出雲・玉造・境港の旅~後編

前編からの続き。

熊野大社から東に20km
島根県安来市にある「庭園日本一」の足立美術館。

京都の桂離宮でさえ第2位ですからね。
「どんだけ~」って感じです。
http://gardenrankings.com/

「安来節演芸館」に隣接する足立美術館の巨大駐車場。

演芸館で名物「どじょうすくい」を見る予定だったが
到着が夕方になってしまい間に合わず。

昭和45年(1970)実業家の足立全康が私財を投じて建設。

その全康さん、安来から大阪に出て
モノを運んだ復路の荷車が空っぽになることを惜しんで
復路に載せるモノを探し求めて商売をした。

このようにしてコツコツと財を築いて
美術館をつくるほどの大実業家になった。

全康さんのコレクション
横山大観を中心に、近代・現代日本画、陶芸、木彫など多数収蔵。

北大路魯山人の陶器をみて
タニシを思い浮かべる。

恐らく開園前は、なんてことのない土地だったのだろう。

そのなんてことのない土地に庭をおこし、山の借景も利用して
見事にこの土地を美術品に昇華させた。

先の巨大駐車場も、なんてことのない土地だったから作れたはず。
大型観光バスが頻繁に出入りする一大観光名所になると全康さんは見込んでいたのだろうか。
実業家の先見の明には驚かされるばかりだ。

茶室・寿楽庵でお抹茶をいただく。
三英堂の「日の出前」と共に。

松江の和菓子文化、おそるべし。
山陰の底力、凄いですよ。

足立美術館といえばこの景観。

膨大な美術品と建物を囲む表情豊かな庭をめぐって心地よい疲労。
沈む夕日を見ながら「喫茶室 大観」で休憩。(coffee & cake)

日没後、安来ICから山陰自動車道に乗ろうとすると
薄暗く巨大な大山(伯耆富士:ほうきふじ)がボワ~ンと真正面に現れた。
http://furusato.sanin.jp/p/area/daisen/4/

確かに「富士」でござる。

鳥取県に入って米子西ICから一般道へ。
JR境線に沿って一気に北上、境港(さかいみなと)に到着。

境港駅すぐそばのドーミーイン系「御宿野乃」にチェックイン。
2016年築で、このエリアでは一番新しいかも。

(正直な話「御宿野乃」がなかったら境港に泊まる選択肢は無かった)

境港と言ったらカニでしょう
と夕食場所を探すが、どこも予約満席で撃沈。

「御宿野乃」の1階バイキングレストランにようやく入れた。
(※このバイキングが刺身もあり、地元のメニュー豊富で大当たり)

翌朝。樹木の先に船が見えるが
境港(さかいこう)は隠岐汽船の起点になっている。

※港は「さかいみなと」、市名は「さかいみなと」と使い分ける。

先ほどの駐車場の対岸が「美保関」。

事代主神(大国主神の子)を祀る美保神社がある。
式内社でえびす様の総本宮。

このような古社が当たり前に存在するのではなく
資金面・マンパワー面で尽力する人々がいるからこそ。

美保神社の鳥居を出たら、風情ある青石畳通りを経て
海を見ながら「なかうら美保関売店」でイカ焼きを食べる。

再び境港駅へ。
『水木しげるの古代出雲』を読んで今回の旅を触発されたのは間違いない。

鬼太郎のイラスト看板の下
「回転すし大漁丸 みなとさかい店」で寿司。

食後は境港駅で「目玉のおやじ飴」など買って
出雲方面に西進する。

途中、ベタ踏み坂で有名な「江島大橋」を通過。

圧縮効果の写真で急坂に見えるが
走行している分にはふつうの橋。そりゃそうだ。

さらに西進して大根島(だいこんしま)を通過。
時間の都合で「由志園」に立ち寄れなかったのが残念。

「由志園」も先の庭園ランキングで国内20位。
山陰の庭園レベル高すぎです。

假屋崎先生も大絶賛。

中海(なかうみ)の上を浮かぶように細長く一直線に走る
堤防道路を経て、松江市を通過。

再び山陰自動車道に乗って出雲市内へ。

稲佐の浜を左に見ながら、いよいよ出雲大社に到着。
夕方になってしまい、寒波襲来もあってとにかく寒い!

壮大なスケールにひたすら圧倒される。

出雲大社の参拝は「二礼四拍手一礼」

御本殿のある楼門前には古代の巨大神殿の柱跡が
分かりやすく記されている。

3本の大木を束ねて1本の柱にしていた。

出雲大社といえば大注連縄だが
こちらは神楽殿。

iPhoneの高性能により明るく写っているが、実際は薄暗くなり始めた夕方。
しかも恐ろしく寒い。(たぶん氷点下)

1月に出雲大社のみ再訪することに決めて、空港に戻る。

空港に戻ったら戻ったで
再び出雲そば。それこそ「どんだけ~」である(笑)