枚岡神社(大阪府東大阪市)

大阪市中心部から近鉄奈良線に乗って、生駒山(いこまやま)の長い勾配をぐんぐん登ること約20分。
枚岡(ひらおか)という駅で降りると、目の前が河内国一宮の枚岡神社。

注連縄掛神事(お笑い神事)が独特。
http://hiraoka-jinja.org/special/owarai-shinji.html

創建は神武天皇が大和の地で即位される3年前とされている。

768年(奈良時代)に枚岡神社の御祭神を分祀して春日大社を創建したことから、枚岡神社は「元春日」(春日大社の元宮)とも呼ばれる。

晩年に神道の本を数多く執筆されていた、医師であり医学博士の葉室頼昭(はむろ よりあき)先生が診察のかたわらで神職資格を取得。平成4年(1992)に枚岡神社の宮司に就任し、2年後の平成6年(1994)に春日大社の宮司に就任された。

この流れを見ても枚岡神社と春日大社のつながりの深さが分かる。

生駒山の斜面に建つ境内地なので、駅から本殿に向かって坂道と階段がつづく。そう長い距離ではないがお年寄りにはしんどい。

階段をのぼると、拝殿。

御祭神は・・・
◎天児屋根命(あめのこやねのみこと)→中臣氏・藤原氏の祖神(おやがみ)
◎比売御神(ひめみかみ)→天児屋根命の后神
◎武甕槌命(たけみかづちのみこと)→鹿島神宮(茨城県)の御祭神
◎経津主神(ふつぬしのみこと)→香取神宮(千葉県)の御祭神

拝殿では自動車祓の最中。祝詞奏上が美しく、また神職の方の所作も本当に美しい。
この日のものではないが、こちらの公式動画(大祓)も必見。
https://www.youtube.com/watch?v=TuAUjQftRiI

拝殿の先、朱塗の本殿が御祭神ごとに四棟並ぶ。

天児屋根命(あめのこやねのみこと)の子、天忍雲根命(あめのおしくもねのみこと)を祀る若宮神社。その手前に湧水「出雲井」が流れる。神社一帯が「東大阪市出雲井町」なので地名の語源でもある。

出雲井の下は禊場(みそぎば)になっている。

「本宮まで徒歩40分」とある。Googleマップ上では1.3kmだが、本格的なハイキングコース。
神武天皇の東征の際、天児屋根命と比売御神が本宮となる「神津嶽(かみつだけ)」に祀られた。

「枚岡梅林」からは大阪市内を一望できる。

弁当を食べながら最高のピクニック気分を味わえそうだが、傾斜地なのでおむすびを手放すと下界まで延々転がっていきそうだ。

ちょっと左に目を向けると、あべのハルカスが見える。(hみたいにみえるビル)

あべのハルカスが近鉄不動産の運営で、この生駒山の尾根を縦貫する有料道路「信貴生駒スカイライン」を運営しているのも近鉄。ここに来る鉄道も近鉄。(だから何だって話 笑)

ちなみに枚岡神社の背後にある「信貴生駒スカイライン」はもう少し標高が高くなり、都会の夜景が美しく関西屈指のデートスポットとされている。