出雲・玉造・境港の旅~前編

12月某日。宍道湖の西に位置する「出雲縁結び空港」。
JALとFDA便が就航している。

早速、ターミナルの3階にある「奥出雲そば処 一福(いっぷく)」へ。
山陰を中心に、兵庫から広島まで店舗がある。出雲そばのチェーン店としては最大手か。

出雲そばといえば「割子」(わりご)
蕎麦に薬味をのせて、直接つゆをかける。

写真は「穴子天ぷら割子」
It tastes good.

空港からレンタカー営業所を経て
荒神谷遺跡の脇を通過しながら須佐神社に向かう。

小雨が降り、あいにくの天気だなと残念に思っていたら
先に見える目的地の上空だけピンポイントで穴が開いたような青空。

ちょっと胸がいっぱいになってしまった。

須佐之男命をお祀りする須佐神社。
平安時代に編纂された神道の教科書「延喜式」(えんぎしき)
その中の神名帳(じんみょうちょう)に掲載されている古社。

参拝を終え、再び雨に打たれながら奥出雲を離れ、宍道湖に向かう。

玉造国際ホテルRivage Chorakuに到着。
対岸に見えるのは松江市内。

建物は古く、廊下も国際ホテルというよりは部活動の合宿所のような雰囲気。

しかし、古いホテルを老舗旅館の長楽園が買収した形なのだろうか?
少しずつリノベーションが進められており、雰囲気のよいリゾートホテルに生まれ変わりつつある。

宍道湖に面する最高のロケーションで、これから大化けするホテルだと思う。

レストランは業務にあまり慣れていないおじさんスタッフが一所懸命ウロウロ動き回っている感じだったが
皆さん親切で、とても好感をもった。

ここでも割子そばが一枚。

そのスタッフのおじさま方が忙しく動き回っていたので
声を掛けるのがデザート後になってしまった。

両参りセットと来たら、飲まないわけにはいかないでしょ。
120ml×2だったらすぐ飲めるだろうと注文したら・・・

ドーンって感じ。
アテなしで飲むのはさすがに(笑)

「白鷹」(はくたか)が伊勢神宮のお神酒で
「八千矛」(やちほこ)が出雲大社のお神酒。

白鷹が意外と手に入らないんですよね。

写真の色の通り、
「白鷹」は洗練されたお神酒、「八千矛」がヌカくさいお神酒、という感じ。
(どちらが優劣という訳ではない)

翌朝。
玉造国際ホテルの真南、2.5km先に玉造温泉の元湯がある。
旅館群はむしろ元湯のほうに集中している。

その元湯の中心にあるのが「玉作湯神社」

こちらも延喜式に掲載された「式内社」。
玉造温泉は少彦名命(すくなひこなのみこと)が発見したとされている。

さて。
玉作湯神社から東に7kmほど進むと、八重垣神社へ到着。
こちらも式内社。

「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」
by 須佐之男命

まあやはり、車がなければアクセス困難な場所ばかり。

八重垣神社から南に7km進むと、出雲国一宮の熊野大社がある。

「熊野といえば和歌山でしょ」じゃないのだ。

若い方ではなかったが、参列者なくお二人だけで神前結婚式。
とても想いのこもる、温かな雰囲気であった。

和歌山の熊野三山のルーツをここだとする説もある。

熊野大社から意宇川をはさんで「八雲温泉 熊野館」
近所のおじいちゃん・おばあちゃんが温泉に入りにくる施設、という雰囲気。

個人的にはかつて田舎そばをバカにしていた節があったが(失礼)
今回の旅ですっかり「出雲そば」の大ファンになってしまった。

昼食は釜ゆでそばで腹を満たす。
とても美味しかった。

(後編につづく)